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紅茶を飲みながら。
 今日の飲み会のテーマは「語る」だったらしい。それも自分の恋愛経験、または恋愛感について。飲みはじめの頃に「よし、今日は語ろう」みたいなことを言われたけど、僕はとてもじゃないがそんな気になれなかった。お互い(少なくても僕は)触れて欲しくない過去があるのに、なぜ危ない橋を渡ろうとするのだろう。ひょっとしたらそのスリリングが好きなんだろうか。航空ショーみたいなものか。地上すれすれのところまで急降下してきて、もう一度浮上する。目眩がしそうだ。

 結局のところ、誰も恋愛談を打ち明かすことはなかった。だいたい言い出した女の子が右手薬指に指輪をしてて、気になって仕方がなかったから思い切って尋ねてみたら普通にかわされたし。怖くて聞き直す気もしなかったけど。みんな返り討ちを恐れて懐に飛び込むことができず、妙に丸くおさまった飲み会だった。

 なぜか別れて一人ぼっちになってから近くの神社に足が向いた。とりあえずお参りをしたら、無性に人恋しくなって友人に電話をした。少し重い話からとりとめのない話題まで、延々と2時間くらいしゃべる。雨が降った後の神社はとても涼しくてさわやかだった。たまに湧き水を汲みにポリタンクを抱えた人が通る。電話越しに包み隠さず話をしたら少しは心も穏やかになっていく。

 電話の途中でどこからか猫が現れた。目が大きくて大人と子供の中間くらいのかわいらしい猫だった。でもあまり人間にはなついてないみたいで微妙な距離をとってこっちを眺めている。じれったくなって僕が一歩近寄ると、少し半身の体勢になってうしろに重心をかける。さらに一歩踏み込んだらサッと逃げていってしまう。そして数分後には戻ってきてまた4メートルくらいまで寄ってくる。・・・。
 やっぱり煮干が必要なんかな。でも悲しいかな、持ち合わせてないんだよ、そんなもの。だから中途半端なことは止めて、早くどっかに行ってほしい。甘えるような目でこっちを見つめないでほしい。

そういえば私、お酒が苦手で電話も得意でないはずだったのに。いつのまに。
 2005.06.28 光陰カメのごとし より境地を借りる。
by premiertack | 2007-03-23 21:07 | なんとなく | Comments(0)
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